安芸市でなす農家を営む高橋さん。昭和43年高知の生まれで、農業歴は23年になり、現在は両親とともに3人でなすを育てています。ハウスの広さは22a(約2反)ほど。小高い丘の上にあるハウスからは、外に出るとすぐに太平洋が望めます。なす栽培は、日々カビや害虫との戦いです。艶、形、サイズで商品価値がきまり、くすみのあるものは、収穫の時期に取り除かれます。大変な作業ではありますが、やったぶん自分に返ってくる、ということがやりがいだそう。
なすの収穫時期は9月から6月と長く、その間ずっと収穫を続けます。途中で、切り返し、という作業を行い、新たにきれいな芽をつけ、何度も収穫できるようにしています。とても手間のかかる作業で、それぞれの農家が自分たちのやり方でやっている、とのことです。
そんな高橋さんになすの食べ方について伺うと、なすのたたきや、素揚げしたなすに、にんにく、生姜、酢、砂糖、醤油、みりん、お好みの薬味を混ぜた中華風のたれをかけていただく、揚げなすの中華風たれがけ、などの食べ方がオススメ、とのことです。皆さんぜひ試してみてください。
にら農家を始めて20年、という西本さんにお話を伺いました。香南市で息子さん、高瀬夫妻と共ににらの栽培をしている西本さん。にらを作り始める以前は、さつま芋を栽培していたそうで、香南市では、半世紀ほど前に野市からにらを持ち込んで以来、にらの栽培が盛んになったんだそう。
にらの栽培は10月から始まります。冬場は温度管理をしながらハウスで育て、夏場はハウスの屋根を開けて半露地で栽培しています。自動冠水だけでなく、ハウスを開けて雨も入れるようにしているそうです。およそ一ヶ月で収穫できるようになり、その間、栄養を取られてしまわないよう草取りをしたり、消毒をこまめに行い虫の駆除をしたりと、おいしいにらを作るため作業を続けます。
にら農家には決まった休みはなく、大変ではありますが、自分で作った日が休みになる、という良さもあります。みんなのいいところを出し合い、切磋琢磨しながら仕事を続けているそうです。
そんな西本さんにオススメのにら料理を伺うと、にらとんやもつ鍋にしたり、塩焼きそばに入れて食べてもおいしい、とのこと。ぜひ試してみてください。
四万十町興津海岸は、白砂青松の渚として有名です。水質も良く、遠浅であるため、夏はキャンプや海水浴を目的とした人々で賑わいます。そんな興津海岸をすぐそばに望むビニールハウスで、みょうが農家をされている橋本さん。実家を継いで農家をはじめてから、今年で17年目になるそうです。近くの同年代の農家仲間2人と、和気藹々とみょうがを栽培しています。そんな仲の良い3人組からお話を伺いました。
みょうがは10月に植えて、5月に収穫します。一年を通じて仕事はありますが、特に忙しいのは5月、6月の収穫時期だそう。朝に収穫して、昼からは詰める作業。一度とっても、4~5日するとまた生えてくるので、何度もそれを繰り返します。
みょうがは色が命。味や香りではなく、紅色の発色度合いによって、A,B,Cの等級が決まります。病気で一気にやられることもあるので、土作りには気を配っています。自然災害とも戦いながら、日々経験を積み、試行錯誤して頑張っているそうです。
そんな橋本さんたちオススメのみょうが料理は、『みょうがとウインナーの卵とじ』、『ピーマンとみょうがの天ぷら』、みょうが、きゅうり、ツナ缶、マヨネーズを和えた、『ツナとみょうがのサラダ』、キャベツの代わりにみょうがを使った、『みょうがのお好み焼き』など、様々。ぜひ一度おためしあれ!
高知県の南西、四国最南端に位置する土佐清水市。今回はそこでらっきょう農家を営む澤田さんにお話を伺いました。澤田さんが栽培するらっきょう畑は、大岐海岸から雑木林を挟んだ砂地続きの土地。その土地は元はタバコ畑だったそうです。らっきょうは日当たりと排水のいい場所を好むため全国的に見ても海沿いの砂地が栽培に適しているといわれています。また砂地は、土と違って草が抜きやすく、管理も比較的安易と言う利点もあるそうです。
らっきょうの収穫時期は5月~6月で、収穫を終えてまもなく来年のための植え付けを始めます。澤田さん農家は当初、収穫・詰め作業は全て手作業で行っていましたが、数年前に隣接するらっきょう農家の同志の方と協力して取得した補助金で機械を導入、詰め作業は今では手作業の時より約1/5の時間短縮になりました。
栽培で気をつけなくてはならないことはやはり害虫。らっきょうの害虫は高温と乾燥が原因でネダニが発生し、主に根を食われ腐ってくるといいます。被害にあった作物は、健康なものから早めに分離し、被害拡大を最小限に抑えます。
澤田さんは若い頃は銀行に勤務し、家業を継いだのち、12年前就農されました。らっきょうの他に、生姜やなばなも栽培されています。
「いろんな仕事をしましたが農家を営んでいる今が一番充実していますね。人との付き合いも含めて」とおっしゃる澤田さん、今後もみんなが元気になるらっきょう栽培を期待しています。
今回は、高知県の東に位置する香南市でオクラ農家を営む山中さんを尋ね、お話をお伺いしました。オクラを露地栽培してはや30年以上という山中郁さん。20年ほど前から、ご主人の武弘さんと二人で作業されています。
山中さんは近辺に数カ所オクラ畑を所有されており、連作障害を防ぐため、毎年異なった畑で栽培されています。今回お伺いした畑は、お住まいのすぐ横にある約3.3アールのオクラ畑でした。
オクラの収穫は5月から10月。収穫時期は朝4時に起床し、正午過ぎまで約8時間収穫作業をします。その後引き続きオクラの袋つめ作業をするため、収穫時期は一日13時間オクラと向き合います。
オクラは成長が早く、花が咲いて約三日後に収穫できる大きさに育ちます。そのため、収穫が遅れると、どんどん成長し、あっという間に倍ほどの大きさになるので、収穫は時間との勝負。
山中さんに栽培するときに注意することをお伺いすると「より自然に近いものをお客様にお届けするため、消毒は必要最小限に抑えることに気をつけています」とのこと。
オクラ農家の方がよく「オクラの機嫌を取るのはむづかしい」と言われるように長年培った経験を元に自分の目で成長を確認しながら、注意深く栽培しています。
山中さんオススメのオクラのレシピは、ちくわきゅうりならぬオクラを詰める「ちくわオクラ」。きゅうりとは一味違った味が楽しめます。
現在、農業研修をされている息子さんが来年の春以降、一緒に作業をされるということなので、ますます美味しいオクラを栽培してもらいたいものですね。